脳みそ解放スナック「ですとろい」

懐メロのレコードやラテン音楽が流れる仮想スナックです。

FAKE

2016年 日本 109分

監督:森 達也

 

2014年のゴーストライター騒動で話題となった佐村河内 守氏とその家族に密着したドキュメンタリー映画。佐村河内氏の自宅で撮影され、取材に来るマスコミ関係者や外国人ジャーナリストらの様子も撮影している。

報道ではわからなかった佐村河内守氏のお茶目な部分、現在の生活などがわかり興味深い作品であった。また、日本のマスコミと海外のジャーナリストの姿勢の違いも面白い。取材に来た日本のマスコミは基本的に面白おかしく扱おうとしていた。佐村河内氏が出演を断ったテレビ番組では、出演した新垣 隆氏のことも笑いを取るための道具として扱っていて、番組の作り手の誠意のなさだけが浮き彫りになっていた。一方、佐村河内氏の自宅に取材に来た海外のジャーナリストは、的確な質問を次々と投げかけ、佐村河内氏がたじたじになって休憩を申し出るシーンもあった。ピアノを捨てた理由を聞かれ「部屋が狭いから」と答えたのは、おいおいと思ったが…。

 


映画『FAKE』予告編

 

全体を通して「最初の設定(ゴーストライター騒動の前までは、杖を突いて歩いている、耳鳴りがひどい、腱鞘炎などということもアピールしていたこと)どこいったんだよ!」と突っ込まずにはいられないシーンが多数で、そこがまたこの映画の面白いところであった。

この映画で悪者のように描かれてしまっている新垣氏、最初に文春に記事を載せた神山 典士氏だが、彼らもこの映画に対する見解や主張を新垣氏は事務所HPで事務所の見解として、神山氏はBLOGOSへの寄稿というかたちで述べている。とは言え、さまざまな視点から見ても結局本当のことはわからないというのが正直な感想である。

最後の方でびっくりしたのが、監督が佐村河内氏にある提案をするシーンであった。ドキュメンタリーで監督が提案してしまったら、それはもはやドキュメンタリーではないような気がするがいいのだろうか。そこも含めて「FAKE」ということなのかもしれない。

たびたび登場する佐村河内家のネコさんが、いいアクセントになっていた。ネコさんは本当のことを全部知っているんだろうなあ。

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